リアル歴2020年8月11日。
エオルゼアの風が変わり、人は大地の引力から、より離れる事ができる様になった。
砂混じる乾いた風が、宙に留めたワタシの身体を横から下から攻め立てる。
ワタシは西ザナラーンの高所から、カッパーベル銅山の北を東西に横断する地溝を望んでいた。
──もういくつ寝ると新生祭。
ワタシの「心は霊災前の西ザナラーン」にありました。
第六星歴の末期。この地溝は、高低差数十ヤルムにもなる細い坂道が整備され、ここがアラグ陽道の名を冠していました。
ワタシ、カッパーベル銅山前の台地を住処にするおっきなサボテンダー「カクター・ジャック」を狩りに来た事があって。その時は、中央ザナラーンから銅山北側の坂道をくだって西ザナラーンに現れ。銅山西側を経由して南側へと回り込み、そして進路を北に台地を駆け上がったものです。
多くの人はキャンプ・ホライズンのエーテライトを使ったかもしれないけど。テレポする度に消費するアニマが勿体ないワタシは、街からずっと陸路を走ってたのです。
なつかしいなぁ。
ふと。
今に戻り、空を西へと移動しました。そしてキャンプ・ホライゾンの向こうに見えてきたのは、自然が作りだした複雑な陸橋。
西ザナラーン。今はウルダハの街をナナモ新門から出るとすぐ目の前に広がります。
けれど第七霊災の前は、ウルダハに「ナナモ新門」なる通用口は無くて。
西ザナラーンへは中央ザナラーンのキャンプ・ブラックブッシュをも越えて北上したあと、進路を西にアラグ陽道をゆくしかありませんでした。
アラグ陽道をひたすら西へと進むと見えてきた景色。その景色と今見ている景色が、記憶のなかで重なります。
以前は上が街道でした。街道は西海岸線のすぐ近くまで延びていて、少し手前で下り坂を一期に下りてフェリードック、今のベスパーベイへと至っていました。
かと言って下へ行けなかった訳ではなくて。
街道を途中で外れた数か所に下へと降りる道がちゃんとありました。下の空洞と空洞とを繋ぐ細い道もありました。そうですねぇ、今のクルザス中央高地にあるウィッチドロップみたいな感じでしょうか。
ワタシは下の空洞で、なにが目的だか忘れたけども、時間に追い立てられながらボム狩りをしてた記憶があります。
そう言えばこのあたりに、コッファー&コフィンって名前の旅亭がありましたっけね。おじいさんが独り、ボムの粉で防虫しながら畑を耕してて。畑に落ちてたガンハルバードをナシュが見つけて。ヒルディが触ってたら暴発して。もちろんその後は・・。
なつかしいなぁ。
ちょっとひと足先に新生祭の気分にひたってしまいました。