北を望めば、ひんがしの国の内地とここクガネを分かつ壁の如き建物の、その大きさがありありと分かります。
この高さに立つからこそ感じた景色。身上げるばかりでは意識さえできなかっただろうその存在感。例えるなら、星導山寺院からバエサルの城壁を望む、みたいな?
ここまで来たなら更なる高みへ! 次なるはあの離れの足場。
手が! 手が使えたらぁああ~・・
儚くも地へと落ちたのでした。
かの長崎は出島の如く、鎖国中のひんがしの国にて唯一外国に拓かれた港町「クガネ」。
町の中に山は無く。なのに、ここを訪れた冒険者仲間の会話には、「クガネ登山」という言葉が頻繁に挙がります。
この山の名は「潮風亭」。桟橋近くにすっくと建った、クガネで最も高い建物です。
その高さたるや、雨降る日に地上から見上げると、雲上にあるかの如く屋根が霞んで見える程。
・・うん。この書き方疲れた。
ともかく。
どなたが見つけたのやら、屋根やら梁やら飛び伝って登れば、遥か高い屋根の上に立つ事ができるのです。
で、クガネエリアが出来てから10ヶ月が経つ現在、ワタシは未だ登頂を果たしておりませぬ。
クガネ登山が流行った頃には何度か挑戦したけどね、何度も何度も落ちて、も~めげたo(>_<)o
だから、ついぞしばらくクガネ登山からは離れていたワタシ、「海側(南側)にまで到達した事がありませ~ん」が、登山が下手くそワタシの逃げ口上でした。
それがこの度この機会、FCメンバーのココットさんに連れられて。
同じくFCメンバーのストさんと一緒に屋根をぴょんぴょん。数回梁から落ちたけど。遂には海側の高い所まで登って来れたのでした。く~っ o(≧▽≦)o
リアルでは夜も更けてたし、ハイデリン世界も宵闇の時間を迎えていたから・・。頂上まではまだ先ではあったけど、ま、足元おぼつかなくなるので、登頂活動は本日ここまで。
しばらく3人でおしゃべりしてから散会したのでした。
──クガネ山から墜落したのは翌日の事。
散会地点から墜落地点まで、先を目指してみて、ワタシ分かった!
あれだわ。前日のワタシには「高揚」のバフがかかってた。
ストさんココットさんと一緒にぴょんぴょんしてたから、高い所でもなんて事なかったんだ。
翌日独りで歩を進めてみて、跳ぶ度に心がすくんでる事に気がつきました。落ちる可能性のある場所で、クガネ山程高くなると、怖さを感じてますね・・。
そもワタシ、軽めの高所恐怖症持ちでござりますれば。
気持ちがすくんで。
思いきったジャンプができず。
足場に届かず墜落する。
うん、落ちた訳だ。