新生祭──。
街中に流れるもの悲しい音楽が、ワタシの記憶を呼び覚ます。
そしてこの度おこなわれる、妖異の都市攻撃を想定した市街地演習。
その空には、あの日あの時在ったのと同じ、紛う事無き紅の禍月ダラガブの姿。
普段は意識しない様にしているけれど。あの日あの時に思いを寄せると、ワタシの首元の背に不思議な形の紋章が現れるようになっていました。【/regacymark】
今は第七霊災と呼ばれる、衛星ダラガブの落下、そして蛮神バハムートの顕現。
あの瞬間に至るまで、エオルゼアには確かに、じわりじわりと得体の知れない何かで侵されていました。その最たるものが、月の衛星ダラガブの接近。
天空を見上げれば月に寄添う小さな小さな星の姿。
これが、パッチと呼ばれる世界の理の改変時ごとに大きくなっていた事に、ワタシが気付いたのはもう相当大きくなってからの事でした。
梅星を見ながらのんきにフェン・イル依頼のカバンなぞ作ってる暇ではなかったのかもしれませんw
この頃から、穏やかだった世界に異変が見え始めていました。
モードゥナの地にカストルム・ノヴムなる基地を建てた帝国は、各地へと飛空戦艦を飛ばして空を席巻。
その威容は三国の空でも見る事ができました。
各地には、青から黄色へと変じたエーテライトや、初めて見る異様な形のアトモスなる物が湧き始め。
今思えば大地のエーテルが、ダラガブに、その内に潜む者に吸い上げられて枯渇した現象なのだと推測できますね。併せて、これから起こる事象が次元圧潰にも及ぶ規模だとすれば、妖異の出現も納得できます。
そんな中。
リアル時間2012年の11月1日朝6時にエオルゼアの世界は、そしてワタシは、時の神アルジクをも創造した真の神によって時間を凍結されました。
そしてワタシはふたつに分かたれたのです。
すなわち──。眠り、未来へと繋がるワタシと。駆けて、終焉へと突き進むワタシに。
眠ったワタシは、2013年8月27日の数日前に目を覚まして、大きく変わったエオルゼアのあちこちを駆け回りながら今に至ります。
一方、駆け続けたワタシは、10日後の2012年11月11日に世界が閉じる事を識りつつ、新たに起こった世界の大異変「時代の終焉」へと巻き込まれていきました。
地上の景色が一変しました。
街の外に突如として現われたのは、十数匹もの巨大モルボル、巨大キマイラ、巨大な妖異らの集団でした。近づけば、あるのは即、死です。
そしてウルダハでは、これまでに考えようもなかった異変が起こりました。
脈絡なく時折ナル回廊に現れては暴れだしたのです。怪物が。妖異が。そして帝国軍が。
そう。この度の新生祭で軍事演習が見せる景色はこの模倣なのです。
あの時の闘いは、LV100を誇る複数の怪異に最強でもLV50の私達が挑むという無謀なものでした。クラフターの皆が石や豆(笑)を投げてスタンを試み、数撃で地に伏す事を承知でナイトと戦士らがモブに対峙、一桁にしかならないダメージを積み重ねてアタッカーが相手を倒します。パーティではなくその場に居合わせただけ、という仲で生まれる連携は不思議と感慨深いものでした。
11月3日。11月6日。11月7日。世界の理は刻々と変わってゆきます。
怪異が真の力を発揮。石や豆は遂に力を失い。宿屋で寝た者には十二神が気まぐれで最強武器をプレゼント。傷ついた者へ祈りを捧げれば瞬時に衰弱が回復し、怪異へ祈る不届き者には即死の天罰が落とされる。勇むチョコボはナル回廊を駆け回り、皆は防衛線と称してグーブゥの盾を築きました。
そして11月11日17時。
エオルゼア同盟軍臨時司令部(システムメッセージ)。
「すべての冒険者に告ぐ。カストル・ノヴムより、帝国軍部隊の進発を確認した。戦う力のある者は、モードゥナのキャンプ・ブリトルバーク北西へと集結し、迎撃にあたられたし。」
帝国軍との戦いよりも、ラグとの戦いですw
11月11日17時50分。
2年を共にしたLSの皆で、クルザス西部高地の帝龍泊に集まり、最後の時を待ちました。
11月11日18時。
ぷつりと。ワタシはエオルゼアから追い出されていました。
The Lodestoneに、その後をつづったムービーが掲載され、ワタシはその後の事を知ります──
あれからおよそ6年。
今、空にかのダラガブを仰ぎながら、ワタシは弓を取ります。
あの日あの時ウルダハに現れた膨大な数の妖異へ、精いっぱいに抵抗した想いを胸にして。幾夜を重ねても枕元に現れなかったアルテミスの弓への失恋の想いと共に!
閑話休題。
新旧並べ比べ(^^) 服も前のと同じのを引っ張り出してみたよ。
腰のラプトルサッチェルベルト、やっぱりグラフィックあった方がコーデとしては良いね。ギガントガルロングボウは、矢筒は変わらないけど矢羽根が紫水晶みたいな色に変わってしまってたんですね。
そうそう、弓表示はユーザの希望が叶った証。以前は背に背負えず異次元から取り出してたのですw
こちらは、ウルダハのナル大門前。
グゥーブゥ防衛線のオマージュですね。
迫り来る巨大サソリらは街の外で食い止める! 最終防衛ライン形成!!
・・って、今はいないんですけどネw
世に受け入れられなかった世界。新生の礎となり消えた世界。
黒歴史・・なのかもしれないけれど、ワタシには仲間とわいわい遊べるとても楽しい場所でした。世界の終焉という二度とないハチャメチャな体験ができたのは、それに輪をかけて面白かった!
実は。
2012年11月21日に世界は再び色を取り戻します。
但しそれは、2012年が終わるまでの間だけに設けられた、「終焉が始まる直前」が永遠と続く閉じた世界でした。データの引継ぎもなければ、何かしらの更新がおこなわれる訳でもない。
けれど、ワタシはこの期間に、今一番の大事なものを手に入れたのでした。
出会う方々との語らい。The Lodestoneを介してのコミュニケーション。
「新生で会いたい」
それはワタシが。別なワールドに、Masamuneに、もうひとりのワタシのエオルゼアライフを始めようと決意したきっかけです。旅猫となるきっかけでした。
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